• Profile

    若松貴志
  • 1982年生まれ、東京都出身。幼少の頃より絵を描くことが身近な存在だったが、大学では経済学を専攻、卒業後は営業担当として就職する。そこでビジネスの世界の厳しさを目の当たりにし、仕事として全身全霊をかけられるものとしてグラフィックデザインを志向し、転身。印刷会社や制作会社などいくつかの会社でグラフィックデザイナーとして活躍したのち、2015年にフリーランスとして独立、2016年に株式会社ワッカデザインとして法人設立。代表取締役に就任し、現在に至る。

    常にものごとの本質を捉え、そこから視覚的表現に転化することでデザイン制作するスタイルは各所で高い評価を受け、数多くのグローバル企業や日本の大企業、中小様々な企業におけるブランディング、グラフィックデザインを担当。アートというフィールドとは異なるものの、視覚的表現におけるセンスやクリエイティビティを身につけることとなった。

    一方で、グラフィックデザインにおけるマーケティングやコマーシャリズムといった大衆主体の表現に限界も感じており、2017年頃よりinstagram上でアート活動を開始。日々研鑽を重ね、作品数200を超えた頃に現在の手法“Mezzotinted-Watercolor by Digital”を確立すると同時に、各所から注目されるようになり、2019年にLe Carrousel Du Louvre ParisにおけるArt Shopping Paris 2019に出品したことから、The Fullerton Hotel Singaporeの個展開催に結びついた。2022年には東京・上野の森美術館でのグループ展や、シンガポール国立美術館での展示も決定しており、今後ますます注目が予想される新進気鋭の作家である。

    若松貴志

Concept

若松にとって「誰か」や「どこ」を描くのことはあまり重要ではない。特別な場所にいかなくとも、日常のふとした瞬間には無数の予め用意されたかのようなシーンが存在しており、それを捉えることが美の本質であると考えている。すなわち、街を歩く人々はシーンを構成する登場人物であり、風景は舞台である。そしてその瞬間の美しさを逃さぬためにカメラで撮影し、その美しさを引き出すために色彩と水彩とメゾティントといった表現方法を活用する。

つまり、若松が行っていることは多くの人々には取るに足らないものとして見過ごされる美しさをわかりやすい形に抽出、作品に転化することであり、鑑賞するものは見過ごされた風景を魅力的な姿として再発見することでの新鮮な驚きを受けることができる。これはグラフィックデザイン出身の若松ならではの視覚的なアプローチであり、それがそのままアートとなっている。

忘れてはならないのが、この制作スタイルを支えているのは独自の技法でも、この何とも美しい金属板と樹脂の質感でもなく、若松の世の中に対する目線にあることだろう。彼は信じがたいスピードで一瞬の風景を見抜き、カメラで撮影するし、それが初めて訪れた場所や何度も行ったことのある場所などとは関係なく行われている。極めて自然体であり、その万物に対してフラットな目線こそがアート史上誰の作品とも似ていない、彼独自の作品を成立させている。

世界を肯定し優しい眼差しが表現されている。世界は美しさに満ちているのだ。

Technique

若松の制作は日々撮りためている写真から行われている。グラフィックデザイン出身の彼にとってPhotoshopこそが最も身近な画材であり、制作の大部分はデジタルで行われるが、その過程では水彩をスキャンしたものなどアナログ素材も使われており、一見してデジタル作品に見えないのが特徴。全作品で共通しているのが水彩の質感と、メゾティントと呼ばれる無数の細かな横線のタッチ(もとは銅版画技法の一つ)であり、そこから独自の手法“Mezzotinted-Watercolor by Digital”として確立した。

制作のもととなった写真

実際の作品

作品の出力はアート工房によるジクレーが主体。ジクレーとは、インクジェットプリントを使った超高密度の版画技法であり、顔料インクを使用するため耐光性、耐水性に優れ、保存性は50年とも100年とも言われる。若松はそれを工房に掛け合い、細かな傷をつけることで質感を高めた金属板(銀はアルミ、金は真鍮)の上に出力、光の輝く部分にラメをまぶし、さらにエポキシ樹脂で固めるという独自の仕様を開発。置かれる場所、光の入り方で印象が変わるため、デジタルでありながら1点ものとしての作品に昇華されている。

アルミ板の上にジクレーで出力、ラメをまぶし、エポキシ樹脂で固める

Exhibitions

2022.11 Takashi Wakamatsu Art Exhibition / Galerie Etienne de Causans
2022.05 海を越えたアーティスト展 / 上野の森美術館
2022.04 ナショナル・ミュージアム・オブ・シンガポール展 / シンガポール国立美術館
2022.03 “Infiniti cars 50th anniversary” Art Exhibition / INFINITI SHEIKH ZAYED ROAD CENTRES DUBAI
2022.02 第27回日本の美術 全国選抜作家展 / 上野の森美術館
2021.07 ポール・フロートが選ぶ芸術家100選 ~日蘭芸術家交流展~ / Ruime Showroom In Het Centrum
2021.05 第9回アート・アズ・アート〜芸術の祭典 in 仙台〜 / 宮城県美術館
2021.04 個展 / The Fullerton Hotel Singapore
2021.04 個展 colors/dance展 / 雅灯
2020.12 ~切手誕生180周年記念~ 日仏友好オリジナル切手展 in パリ / Galerie Planète Rouge
2019.10 Art Shopping Paris 2019 / Le Carrousel Du Louvre Paris

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